警察官の給与は公務員の中でも高め。
その決定の仕組みは、他の公務員と同じで階級と年功で決まります。
給料表
警察官を含む公務員の給与は、「給料表」によって決まっています。
この給料表とは、ものすごく簡単に言うと、横軸に階級、縦軸に経験年数をとった表です。
2016年度給料表の一部(警視庁:勤務評定が普通の場合、1年に4号ずつ上がる)
1級(巡査) | 2級(巡査長) | 3級(巡査部長) | 4級(警部補) | |
9号 | 177,100円 | 182,000円 | 209,800円 | 215,000円 |
13号 | 184,000円 | 190,800円 | 217,300円 | 222,400円 |
17号 | 192,900円 | 199,700円 | 224,600円 | 229,800円 |
21号 | 201,800円 | 207,500円 | 231,800円 | 237,300円 |
25号 | 210,000円 | 214,900円 | 239,000円 | 244,900円 |
経験年数と昇任によって、給料表のすごろくを上がっていく
この給料表の中を、経験年数と昇任によって上がっていくのが給与から見た警察官の人生です。
例えば、警視庁の採用ページによれば、高卒は初任給が208,000円、大卒が247,000円です。
警視庁職員は生活費の高い都会で働くので、「地域手当」が約18%ついていますから、それを除くと高卒が176,200円、大卒が209,300円程度です。
上の表で見ると、高卒は1級9号俸、大卒は1級25号俸が支給されています。
そして、評価が普通だと一年で4号上がりますから、二年目は1級14号俸と1級30号俸が支給されます。
このように、経験年数で上がっていくわけです。
次に、昇任して階級が変わると、給料表の右側の欄にシフトします。
例えば、巡査から巡査長になると、1級の欄から2級の欄に移るわけです。
このとき、真横の欄に移動するのではなく、1級の何号から2級の何号にシフトするかが決まっています。
これを繰り返し、給与が決まるので、警察官の年収は階級と経験年数で変わるわけです。
普通でどれくらいなのか
では、一般的な警察官人生を送った場合、年収の推移はどのようになるのでしょうか。地域手当のない普通の県警の場合で計算してみます。
高卒の場合
まず、高卒一年目は、179,600円×16(ボーナス四ヶ月と計算)で年収288万円ほどです。
次の巡査部長には経験年数4年以上でなれますから、2年巡査、2年巡査長で昇任したとすると、昇任直前の22才で2級21号俸の月給21万円×16=年収330万円程度です。
昇任後は、3級9号俸になるのですが、実は月給はほとんど変わりません。ただし、階級が上がるとボーナスが増えるので、年収は少し増加します。
次の警部補は、巡査部長を4年以上ですから、順調に行けば26才で年収380万円程度です。
ということで、実は昇任してもあまりそれ自体による昇給はありません。では、昇任するメリットは何かと言うと、昇任せずに同じ階級で年を取っていくと、だんだん給与が上がらなくなっていくのです。
普通に行けば、だいたい一年で月給が一万円弱上がるのが公務員の相場と言われています。年収で12万円くらいです。
上の計算を見てもおおむねそのとおりですね。
大卒の場合
大卒の場合は、昇任できるスピードが高卒よりも早くなります。
巡査部長には1年以上の経験でなれますし、次の警部補にも巡査部長経験1年以上でなれます。
ただ、上で見たように、昇任しても給与にはあまり関係ないので、ほぼ年齢と年収が比例すると考えてよいでしょう。